優しくなれる
我が家で飼っている金魚。
一番手前の体が白い金魚が先日天国へ行きました。
たかがペット、ましてや金魚。
でも家族だったなあ。
この写真を撮った時はほぼ絶望的でした。
皮膚が弱いのか、かなりただれていて、全身がうっ血しています。
この時ももうダメかなと思い、写真に収めました。
こうした状況は今までも何度もありましたが、水槽の水をきれいにしてあげて、しばらく様子を見るとすぐに元気になります。
この日もすぐに水槽の水を取り替えてあげると、少しずつ元気を取り戻し、皮膚のただれもなくなり、鱗もきれいに蘇ったのです。
キセキが起こった!
翌日には元気に泳ぎ回っていました。
しかし、それから約10日が経つと、やっぱり同じ症状が。
今回はさすがに難しいかも?
すぐに水槽の水を替え、様子を見守っていましたが、もうキセキは起きませんでした。
最後は皮膚がただれてしまい、見ていても辛かったので、もう川に帰してあげようかと。
すると、最後にキセキが起きました。
なんと、残った4匹の中で最も体の小さな金魚が、皮膚のただれた部分をきれいにしてあげているのです。
この行為が実際どんな意味があるのか分かりませんが、少なくとも僕の目には仲間に対して最後のお別れをしているように見えたのです。
以前、笹原留似子さんの『おもかげ復元師』という本を読みました。その後、笹原さんの講演会にも参加しました。
東日本大震災で亡くなった方々の顔を生前の時のような顔に修復されるお仕事をされた方ですが、まさに我が家の金魚の行動が、笹原さんのなさっていることとダブって見えたのです。
僕も家族もそのままじっと見ていましたが、その後亡くなった金魚の体は元気な時のように、綺麗に輝く体になっていたのです。
子供たちには、人の痛みのわかる人間になってほしい。
「自分が言われて嫌なことは、人に言ってはいけないよ」
そう言っていますが、本当にできていないのは僕たち大人だね。
やっぱり家族っていいなと感じます。
子供たちと生き、生き物と接することによって、少しづつ優しくなれたらいいね。
そして、僕たち大人は、子供たちから笑顔を奪ってはいけないね。
子どもには天真爛漫で輝くような笑顔が似合います。
たかが1匹の金魚とのつながりから、また大切な何かを教えられてような気がします。