主のいない場所
新型コロナの影響で臨時休館していることは分かっていましたが、ふらっと立ち寄ってみました。
『エクシブ伊豆』
ここに来ると、日常のリズムとは違うスイッチが入り、心がスーッと浄化される気持ちになります。
誰もいないホテル。
鳥のさえずりの量が以前より多い気がします。
それは気のせいではありませんでした。人影のないこの場所は、動物たちにとって、皮肉にもとても居心地の良い場所になっているようです。
それは、鳥だけではないようで、駐車場の至る場所に、動物たちが侵入している形跡がうかがえました。
車は何台かあったので、スタッフの何人かは館内にはいるのかもしれませんが、辺りはシーンと静まり返っていて、少し寂しい気持ちにもなりましたね。
それでも、少し違和感があったのは、冒頭の写真を見ても分かるように、植木や芝生はきれいに整えられていることでした。
業者の車も何台かホテルに入っていったので、誰かがいることだけは想像できました。
辺りを見回すと、やっぱり想像通りでした。
庭の手入れをしている職人さんが作業をしており、休憩中のようだったので、あいさつを交わすと、色々と話をさせていただきました。
整えられた芝生はフカフカで、ここに誰も来れないことが残念でなりません。
やっぱり、エクシブ伊豆から望む相模湾と伊豆七島は、唯一無二のロケーションですね。
ラウンジから見える朝陽は、他では味わうことのできない幸福感を体験できます。
職人さん
「こんな景色の良い場所なんてなかなかないよね」
そして、
「7月からも再開できるのかなぁ?」
(ドキッ)
目の前には相模湾。そして、背景には大室山を背負っているエクシブ伊豆も、ここ最近の稼働率はたしかにあまりよくありません。
テニスコートに、屋内外のプール。温泉大浴場に、エクシブを象徴するような開放的なロケーションをもってしても、なかなか厳しい現実があるのかもしれません。
もちろん私が何を言おうと、何かが変わるわけではないのは分かっていますが、先日のお客様とのドギーヴィラの会話を思い出しました。
そして、思ったのは、
「ここ、ドッグランみたいだな」
きれいに整えられた芝生は、犬にとっても気持ち良いはずです。
ホテル周辺には、ペットと同伴できるお店も多いので、きっとニーズは高いに違いない。
なるほど、ここは部屋からも直接出ることができるし、愛犬との宿泊を希望している方が多い今の時代にはマッチしているのではないか!
と、勝手にそんなことを考えながら、エクシブ伊豆をあとにしたのでした。
きっとこんな時だからこそ、今まで出てこなかった発想やアイディアに巡り合うこともあるのかもしれませんね。
それにしても、主がいないと、こんなにも空虚な場所になってしまうことを実感しました。
ここにまたあの賑わいが戻ってくることを願って止みません。