想いが伝わる
4月の小学校と言えば、可愛い1年生を迎えて、希望と元気で満ち溢れている時期。
反対に、お母さんたちにとっては、学校をサポートする役員決めで頭を悩ませる季節でもあります。
これは、学校単位の多少の違いこそあれ、どこの学校でも同じレベルの話はあるのではないでしょうか?
そして、今年も末娘が通う小学校での役員決めの日がやってきた‥‥。
今までは『”子供たちの”小学校』でしたが、今年からは『”末娘”の小学校』。
息子が中学に上がり、こんなことでも感慨深いものがありますね。
僕にとっても、この時期は責任重大だから、それなりの気持ちで臨むのだけど、注意しているのは直前までギアを入れすぎないこと。
あまり早くから入れすぎてしますと最後まで持ちません。
大切のことは、臨機応変対応することと、重要な問題は何なのか素早く見抜くこと。
必ず何か問題というかトラブルが起きるのは毎年のことだから。
実は、僕にとってはそれほど問題ではなかったりするのだけど‥‥。
そして、毎年の所謂トラブルで共通しているのは、
・問題を必要以上に大きくしてしまう人がいる
・そして、その原因を作っているのは部外者だったり、責任者でなかったりします
・当事者と話すと案外怒っていないこと
・まだ起きていないマイナス要素ばかり指摘してくること
・客観的な思慮の中で、真摯に向き合えば、相手とは必ず分かり合える
そして、問題を起こす人はある程度決まっていて、共通していえるのは、「ごめんなさい」と「ありがとう」という言葉がほとんど出てこない人が比較的多い。
そして、今年も始まった‥‥。
職員室の入り口で大きな声を出す中年男性と、無言の若手の先生。
嫌な予感。
先生は異動してきた先生で対応に困っており、一方的で高圧的な男性の勢いを止められないでいました。
意を決して男性と対峙!
まずは場所を変え、冷静さを取り戻す。
こんな時、丈夫に産んでくれた親に感謝。
もう何十年も男性とケンカをしたことはないけれど、比較的高圧的な態度をとる方は、立場の弱い人には滅法強い。
男性は、飲食店を経営している父子家庭のお父さんだった。
頭に血が上り、興奮していた。
「こんな小学校、転校してやらあ!」
数十分、この男性と話した。
そして、最後は握手を交わすことができた。
最後は、穏やかなお父さんの笑顔になっていた。
お母さんがいない中、朝から晩まで働いて、親父が娘2人を育ててる。
大変立派な方だと思う。
でも、僕はもっと大変な環境の中で、一緒にPTAの仕事をしているお母さんを知っています。
それでも、きっとこのお父さん、少ない時間でも一緒に協力してくれる何かを感じました。
「子どもたちのために、よろしくお願いします。」
次のトラブルは、その日の夜起きました。
委員長決めでの出来事。
ここが最大のヤマ!
もちろん立候補者はいないので、仕方なくクジやジャンケンで決めることに。
そして、ジャンケンに負けてしまったのは、朝から晩まで働いているお母さん(娘さん)の替わりに出席していたおばあちゃんだった。
案外こんなケースが多いものです。
そのおばあちゃん、色々な感情が混在して涙を流されていました。
「最も、避けてほしかった方に当たってしまった‥‥。」
だからと言って、他の方にお願いするのは、少し話が違います。
これを認めてしまうと、来年からみんなおばあちゃんが出席してしまうことに。
一度は、僕がそのお母さん(娘さん)に話をして説得する方向になったのですが、最後の最後もう一度訴えかけてみました。
「誰のためのPTAの仕事なのか。」
ここの話には特に想いをこめて。
すると、一人のお母さんが、そっと手を挙げる。
「皆さんが協力してくれるなら私やります。」
どちらかというと、か細い声の控えめな方でしたが、その勇気に感謝。
ようやく最後の委員長さんが決定し、その後の会議を経て、すべてが終わったのは午後9時半でした。
夕方3時半から長い半日でしたが、今回も温かい心と勇気、覚悟、そして子供を想う優しいお父さんお母さんの姿を見ることができました。
「そんなPTAなんて、よくやるねえ大久保さん!」
この言葉から始まったボランティア活動も今年で5年目。
2年で終わるはずが、なぜか5年目になりました。今年で最後にさせていただくつもりですが、今ではやって良かったなあと思っています。
それは、我が子だけでなく子供のことがより理解できるようになり、お母さんたちの大変さを知り、先生たちの事情もなんとなく分かるようになってきました。
そして、何と言っても、『思いは伝わる』ことを強く感じるようになりました。
子どものための活動で、決して親の都合で活動してはいけないと常々思っています。
今年も、ケガや事故、トラブルがないように、元気に1年間ガンバロウ!
ゴールデンウィーク明けには、さらに大事な総会があるので、とりあえずもう一頑張りですね。