親父から教えられたこと
今年で78歳になる私の父は、最も尊敬する人物であり、自分もそんな男になりたいと思える目標とする人です。
そして、今でも自慢の親父であり、自分の理想です。
高校2年になった私の息子のサッカーの試合。
先輩の高校3年生にとっては、実質最後の試合になります。
はっきり言って、負けてばかりの弱小チーム。
「こんなに負けてばかりで何が楽しいの?」と、何度も思ったけれど、彼らの表情を見ていると、それでもきっと彼らは楽しいんだろうなと思わせられる何かがきっとあるんだろう。
そんな思いと共に、向き合ってきた5年間でした。
親父だったら、今のこの状況で息子である私に何を語っただろう?
そんなことを考えながら、この日も必死にシャッターを切り続けました。
そして、なんとなく思い当たったことは、私が幼少の頃から、親父に諭されていることだったのです。
それは、「コソコソしないで、正々堂々と胸を張れ」という言葉でした。
自分の知らない所で、知らないうちに行われていることって、何か残念な感じがしますよね。
「正々堂々と正面から向き合いなさい」という教えは、父親からよく言われていました。
中学時代の野球部の試合も、よく観に来てくれたなあ。
だから、彼らの試合も全てを受け入れ、真正面から向き合おうと誓い最終試合を観戦しました。
結果は大差による敗退。
しかし、選手みんなは晴れ晴れとした表情と共に、母親の包み込むようなやさしさに溢れた空気がそこにはあったのです。
仕事のため1日おきに当直だった親父は、よく家に電話をかけてきました。
「お母さんを頼むぞ。何かあったらお前たちが守れ。」
やっぱり、母親の存在って絶大ですよね。
この日もそうでした。多くのお母さんたちが、彼らの試合を精一杯の声援と共に見届けていたのです。
「コソコソしないで、正々堂々と向き合う」
結果は予選敗退だったけど、悩み、苦しみ、様々な葛藤の狭間の中で頑張ってきた高3生には、胸を張ってサッカー部の一員であったことに誇りを持ってほしいですね。
なぜなら、正面から向き合ってきたその一つ一つの経験こそが、最大の宝物になるだろうから。