親の気持ち
我らが全力で応援しているR君の調子がイマイチ上がらないので、思わず神宮球場まで応援に駆け付けてしまいました。
この秋にはプロからの指名がかかる可能性もあり、大事な秋の東京六大学野球リーグ戦!
すると、私の背後に人影が近づいてきます。
なんと、いつもお世話になっているR君のご両親ではないか。
「大久保ちゃん、一緒に観ようよ」
そういえば、春のリーグ戦も毎試合応援に来ていましたね。
夕方からの居酒屋の開店に合わせて、ご夫婦、時にはご家族総出で、静岡から応援に来ていたよね。
本当にスゴイことです。
彼は、私たちにとってアイドルにしてスーパースターなのだが、やっぱり六大学はレベルが高く、簡単には打たせてくれません。
「今日は打てるだろうか!?」
「試合には出られるだろうか!?」
「途中で交代させられてしまうのだろうか!?」
息子を心配そうに見つめる親の気持ちは、私もなんとなく分かります。
レベルは違ったけれど、息子のサッカーの試合には、ほぼ全試合夫婦で、時には家族で応援に行きました。
プレーに精彩を欠いて交代させられてしまったり、時にはスタメンでなかったり、様々な感情の狭間の中で家族の絆も深まったように思います。
それでも、中1から高3までの約6年間、辞めずに続けたことによって得られたものは大きかったですね。
最後の大会では、様々な思いが入り混じった最高の感動を与えてくれました。
涙を止めることは出来ませんでした。
自分が親になって分かったこともたくさんありますが、すべては子供たちが与えてくれたものですね。
夜には上京している大学生の長女も合流し、家族5人で食事に出かけました。
「やっぱり家族っていいな」
そして、この焼き場に立っている青年に話しかけると、なんと20歳とのこと。
長女と同じ年齢の青年が、このお店を立派に仕切っていたのです。
彼の生い立ちは存じ上げませんが、こうして立派に活躍していることを、ご両親はおそらく見たことはないだろう。
それでも、きっと親子の気持ちは繋がっていることでしょう。
そして、子供たちは、親の知らない所で一歩一歩前進しているんだろうね。